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「戌笑う」2018年の株式相場

東京株式市場、2018年も好調な滑り出し。14日の大発会(だいはっかい)に続き、2日目の15日も前日終値を上回りました。

世界経済の堅調さや2020年の東京オリンピックの経済効果への期待が株式市場全体に安心感を与えているのでしょう。大発会での株価上昇をうけて、2018年の株式市場に対する期待感がますます上がっているように思います。

 

そんな株式相場の地合いから、最近ニュースでよく目にするのが「戌笑う」という言葉。戌(いぬ)年は、株式相場の格言で「戌笑う」と呼ばれ、縁起がいい年とされているそうです。

 

 

 

戌年の相場ってそんなに良いのか?過去の戌年の日経平均株価のデータを調べてみました

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

① 1958

474.55

666.54

40.46%

② 1970

2,358.96

1,918.14

-18.69%

③ 1982

7,681.84

8,016.67

4.36%

④ 1994

17,417.24

19,723.06

13.24%

⑤ 2006

16,111.43

17,225.83

6.92%

 

微妙ですね。株式相場に関して言えば、戌年が必ずしも好調であるとは言えなかったようにみえます。

 

各年がどういう年だったか、少しふり返ってみたいと思います。

 

 

① 1958年

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1958

474.55

666.54

40.46%

 

1958年は「岩戸景気」が始まった年。それ以降の株価上昇は凄まじいものがありましたが、高度経済成長期の真っ只中ですから、戌年はあまり関係ないような…。実際、1958年以降の年も株価はどんどんと上昇しています(以下)。

 

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1958

474.55

666.54

40.46%

1959

666.54

874.88

31.26%

1960

874.88

1,356.71

55.07%

 

ここまでくると、1964年の東京オリンピックまでの株価の推移が気になりますよね。

調べてみました。意外なデータです。

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1961

1356.71

1432.6

5.59%

1962

1,432.60

1,420.43

0.85%

1963

1,420.43

1,225.10

-13.75%

1964

1225.1

1216.55

-0.70%

 

日本経済は、1958年7月から1961年12月まで42ヶ月続いた岩戸景気以降、1964年から始まる東京オリンピック景気まで暫し停滞し、1964年の東京オリンピックの年も含め直前の年の株式相場は上昇していませんでした。

 

 

② 1970年

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1970

2,358.96

1,918.14

-18.69%

 

大阪万博があった年ですが、その年自体の株式相場は必ずしもよくはなかったようですね。万博以降は、1971年のニクソンショックなどの影響で日本経済は混乱しますが、設備投資を抑制した企業の余剰資金が株式市場に回ったも言われ、株式相場は1973年の第一次オイルショックまで堅調でした。

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1970

2,358.96

1,918.14

-18.69%

1971

1,918.14

2,713.74

 41.48%

1972

2,713.74

5,207.94

 91.91%

 

 

戌年である1970年の株式相場マイナス18%を超える下げのあった年であり、株式相場の格言「戌笑う」が当てはまる年だったのかは疑問ですね。

 

③ 1982年

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1982

7,681.84

8,016.67

4.36%

 

株式相場的にはあまり目立った動きのない年。ただし、翌年の1983年以降、史上最高値を記録した1989年にかけて、日経平均株価は、2桁パーセント以上の伸び率で上昇していきます。

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1983

8,016.67

9,893.82

23.42%

1984

9,893.82

11,542.60

16.66%

1985

11,542.60

13,113.32

13.61%

1986

13,113.32

18,701.30

42.61%

1987

18,701.30

21,564.00

15.31%

1988

21,564.00

30,159.00

29.04%

1989

30,159.00

38,915.87

29.04%

 

④ 1994年

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1994

17,417.24

19,723.06

13.24%

 

1991年バブル崩壊から経済の立て直しに向けての施策を実行していた時期です。

 

①~③の考察で、戌年自体の株式相場はそれほど好調ではないとしても戌年の翌年以降の相場は好調になるといった法則を見出せると期待していましたが、1994年はさすがにバブル崩壊直後。この年あたりから不景気は深刻なものとなっていきます。

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

1995

19,723.06

19,868.15

0.74%

1996

19,868.15

19,361.35

-2.55%

1997

19,361.35

15,258.74

-21.19%

1998

15,258.74

13,842.17

-9.28%

 

⑤ 2006年 

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

2006

16,111.43

17,225.83

6.92%

 

いざなぎ景気越えの戦後最長の好景気が続いていた年。結果的には、2007年のリーマンショック前の最後の好景気の年となる。

2007年にはリーマンショックが起きますから、当然日経平均株価も大きく下げることになりました。

 

 

前年終値(円)

当年終値(円)

騰落率

2007

17,225.83

15,307.78

-11.13%

2008

15,307.78

8,859.56

-42.12%

 

【結論】

 

「戌笑う」という株式相場の格言。

過去のデータを見る限り規則性は見出せません(当然ですが(笑))。

 

「戌笑う」という株式相場の格言。

実は、その意味をもう一度見てみると、相場が上がるとは言っておらず、株式相場にとって縁起がいい、と言っているだけのようですね。

 

 

⑥ 2018年

 

2018年・戌年が、日本経済にとって、株式相場にとって、そして皆様にとって素晴らしい年となりますように。