医療法人の決算の流れ

 

今回は、医療法人が作成しなければならない書類とその作成期限や承認・届出期限についてみていきましょう。

 

【改正医療法によって作成が求められる書類】

医療法第51条では、医療法人が作成しなければならない会計に関連する書類として、以下を挙げています。

(ア)  事業報告書

(イ)  財産目録

(ウ)  貸借対照表

(エ)  損益計算書

(オ)  関係事業者との取引の状況に関する報告書

(カ)  その他厚生労働省令で定める書類(通常は、純資産変動計算書と附属明細書)

 

医療法では、これら(ア)から(カ)を総称して、「事業報告書等」としています。

 

【決算の流れ】

ではこれらの書類はいつまでに作成する必要があり、いつまでに承認や届出を完了する必要があるのでしょうか。

 

医療法人のうち、①負債総額50億円以上または事業収益70億円以上の医療法人②負債総額20億円以上または事業収益10億円以上の社会医療法人③社会医療法人債発行法人である社会医療法人(以下、本シリーズでは、基本的に「医療法第51条第2項の医療法人」といいます)は、医療法人会計基準を適用し、公認会計士等による監査を受けなければなりません。

 

この医療法第51条第2項の公認会計士等による監査を受けなければならない医療法人を前提に、決算の進捗を鳥瞰すると以下のようになります。

 

(上記手順の解説) 

   事業報告書等の作成期限:会計年度終了後2ヶ月以内

   公認会計士等による監査報告書の通知期限:財産目録、貸借対照表および損益計算書を受領した日から4週間以内または合意した日まで

   監事の監査報告書の通知期限:事業報告書等を受領した日から4週間以内または合意した日まで

   公認会計士等の監査を受けた事業報告書等について、理事会の承認を受けなければならない。

   社員総会の1週間前から、事業報告書等、監事の監査報告書および公認会計士等の監査報告書をその主たる事務所に備え置かなければならない。

   社員総会の招集の通知は、社員総会の日より少なくとも5日前に行わなければならない。社員総会には理事会の承認を受けた事業報告書等を提供しなければならない。

   事業報告書のうち、貸借対照表および損益計算書については、社員総会の承認を受けなければならない。貸借対照表および損益計算書以外については、社員総会への報告しなければならない。

   会計年度終了後3ヶ月以内に、事業報告書等、監事の監査報告書および公認会計士等の監査報告書を都道府県知事に届け出なければならない。

 

   貸借対照表および損益計算書は官報、日刊新聞紙またはホームページ等により公告しなければならない