医療法人会計基準(貸借対照表)

 

貸借対照表編

 

医療法人会計基準はその第2章で貸借対照表について規定しています。

純資産の部において、資本金・資本剰余金・利益剰余金ではなく、基金・積立金などの科目が使われることを除けば、表示上企業会計と大きく変わるところはありません。

 

 

様式第一号として示されている標準の貸借対照表は以下の通りです。

 

 

【勘定科目】

脚注されていますが、上記科目のうち不要な科目は削除してもよく、また別の科目で表示することが適当な場合にはその科目を利用しても構わない、ということになっていますので、比較的柔軟に対応できると思います。

上記の標準様式から、たな卸資産をさらに細分類して、薬品・診療材料・給食材料などに分けていく例もあります。また、固定資産ついては、リース資産を加えたり、減価償却累計額を間接控除方式で示したりする対応も考えられます。

いずれにしても、表示科目について標準様式がすべてを網羅することは困難ですので、作成側としては、標準様式をベースにしながら、わかりやすく工夫していく必要が多少出てくるのではないかと思います。

勘定科目の性質については、社会医療法人債を発行する社会医療法人の財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則の別表をみると理解しやすいのではないでしょうか。

 

【積立金】

医療法人会計基準は、「積立金は、設立等積立金、代替基金及び繰越利益積立金その他積立金の性質を示す適当な名称を付した科目をもって計上しなければならない」とし、積立金を以下の区分で計上することを求めています。

①設立当積立金:医療法人の設立等に係る受贈益の金額及び持分の定めのある社団たる医療法人が持分の定めのない社団たる医療法人へ移行した場合に受贈益に準ずるものとして純資産の振替を行った金額

②代替基金:基金の返還に伴い計上された基金に相当する額

③特別目的積立金:社員総会又は評議員会若しくは理事会の決議により積み立てた額(目的が明確になるように具体的な名称を付す)

④繰越利益積立金:損益計算の結果生じた純利益の累積額のうち、設立等積立金、代替基金及び特別目的積立金以外の金額

 

【会計処理】

会計処理方法について、医療法人独特の簡便法が設定されていることを除き、企業会計との大きな違いはありません。

簡便法は、医療法人会計基準そのものではなく、「医療法人会計基準適用上の留意事項並びに財産目録、純資産変動計算書及び附属明細表の作成方法に関する運用指針」に規定されていますので、また別の記事で触れて行きたいと思います。