医療法人会計基準(損益計算書)

 

医療法人会計基準では第3章において損益計算書について規定しています。医療法人の損益計算書の特徴や作成上留意しておく事項は運用指針に記載されている以下の3点でしょう。

 

特徴その1 事業損益と事業外損益の区分(運用指針18

損益計算書において、事業損益は、本来業務、附帯業務、収益業務に区別し、事業外損益は一括して表示する。事業損益を区別する意義は、法令で求められている付帯業務及び収益業務の運営が、本来業務の師匠となっていないかどうか判断するために一助とすることにある。

 

特徴その2 事業損益の区分(運用指針16

事業損益は、本来業務、附帯業務、収益業務に区別して計上します(附帯業務、収益業務を行わず、本来業務しか行っていない場合には、区分する必要はありません)

 

    本体業務・附帯業務・収益業務とは

(1) 本来業務(医療法第39条)

病院、医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所または介護老人保健施設業務。

本来業務に付随する業務(病院等の業務の一部または付随して行われるもの ex 売店・駐車場など)⇒ 本来業務として会計処理を行う。

(2) 附帯業務(医療法第42条)

     医療関係者の養成又は再教育

ex 看護学校の経営

     医学又は歯学に関する研究所の設置

     巡回診療所、医師又は歯科医師が常時勤務していない診療所(へき地診療所等)

     疾病予防運動施設

     疾病予防温泉施設

     保健衛生に関する業務

ex 薬局、介護保険法に規定する訪問介護等、訪問看護事業、栄養管理が必要な患者への配食など

     厚生労働大臣の定める医療法人が行うことができる社会福祉事業(平成1029日厚労省告示第15号)

ex 児童養護施設、障害者支援施設(社会医療法人のみ)、老人デイサービス等

     有料老人ホーム

(3) 収益業務(医療法第42条の2

社会医療法人のみが実施することができる業務(本来業務に支障のない範囲において、その収益を本来業務の経営に充てることを目的として)。

業務は厚労省告知において限定的に定められており、医療法人の社会的信用を傷つけるおそれのある業務や投機的性質の業務を行うことはできない。

 

特徴その3 本部費の取り扱い(運用指針17

法人本部を独立した会計としている場合、本部の費用は、本来業務事業損益の区分に計上する。(資金調達に係る費用等、事業外活動に係る費用は除く)

 

【損益計算書の標準様式】

様式第2号として示されている損益計算書の標準様式は以下のとおりです。

 

上述のとおり、事業損益と事業外損益とに区分し、事業損益の区分が業務ごとにさらに区分されている点に大きな特徴があるといえます。