医療法人特有の会計基準

 

医療法人会計の目的や会計基準制定の経緯から、医療法人会計基準には企業会計基準にはない特有の会計処理が規定されています。

 

(1) 簡便的処理の容認

医療法人会計基準は、これまでの会計慣行からの移行に伴って実務にかかるストレスに配慮し、運用指針で負債総額基準による簡便法適用要件を定めるなど、全体的に重要性の原則を意識した規程となっています。

医療法人会計基準適用にあたって、注意すべき特徴的な簡便的処理は以下のとおりです。

(2) 減損会計

医療法人は公益法人ではありませんが、その非営利的性格から減損会計については「公益法人会計基準」の考え方を採っています。

企業会計における減損会計では収益性の低下を織り込むということに課題があるわけですが、収益を上げることを第一義的な事業目的としていない医療法人において、この収益性という考え方を持ち込むのは理念的にそぐわないため、むしろ民間非営利法人が適用する「公益法人会計基準」を参考にして医療法人会計基準は減損会計に関する規定をつくるべきという考えによるものです。

 

【医療法人会計基準第10条における固定資産の評価】

① 貸借対照表価額は、その取得価額から減価償却累計額を控除した価額

② 資産の時価が著しく低下した場合、回復の見込みが認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とする

③ 使用価値が時価を超える場合には、②に関わらず、それが取得価額から減価償却累計額を控除した価額を越えない限りにおいて、使用価値をもって貸借対照表価額とすることができる

 

 

【減損会計適用のフロー】

減損会計適用にあたってのフローについても、「公益法人会計基準に関する実務指針」にある以下の判定フローを利用することができます。