第9回 例外規定(重要性等に関する代替的な取り扱い)

今回は例外規定(重要性等に関する代替的な取り扱い)について解説します。

 

1回でご説明したとおり本会計基準は原則としてIFRS15の基本的な原則を取り入れて作られています。但し、これまで我が国で行われてきた実務等に配慮し、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲において、日本基準独自の例外規定を設けており、それを本基準(実際には適用指針に記載されています)では、「重要性等に関する代替的な取り扱い」としています。

 

この代替的な取り扱いは全部で11個規定されており、企業は原則的な処理のほかに例外的な処理を選択適用することができます。具体的には以下のとおりです。

 

(1) ステップ1 契約変更

①重要性が乏しい場合の取扱(92項)

(2) ステップ2 履行義務の識別

②顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合の取扱い(93項)

③出荷及び配送活動に関する会計処理の選択(94)

(3) ステップ5 一定の期間にわたり充足される履行義務

④期間がごく短い工事契約及び受注制作のソフトウェア(9596)

⑤船舶による運送サービス(97)

(4) ステップ5 一時点で充足される履行義務

⑥出荷基準等の取扱い(98)

(5) ステップ5 履行義務の充足に係る進捗度

⑦契約の初期段階における原価回収基準の取扱い(99)

(6) ステップ4 履行義務への取引価格の配分

⑧重要性が乏しい財又はサービスに対する残余アプローチ

の使用(100)

(7) ステップ1・2・4 契約の結合、履行義務の識別及び独立販売価格に基づく取引価格の配分

⑨契約に基づく収益認識の単位及び取引価格の配分(101)

⑩工事契約及び受注制作のソフトウェアの収益認識の単位

(102103)

(8) その他の個別事項

⑪有償支給取引(104)

 

それぞれの項目の詳細な説明は割愛しますが、例えば⑥出荷基準等の取扱いにおいては、国内販売という限定がつきますが商品又は製品の出荷時から顧客に支配が移転される時までの期間が国内における出荷及び配送に要する日数に照らして取引慣行ごとに合理的と考えられる日数であれば出荷時に収益認識することができると規定されています。つまり出荷基準を引き続き採用することができるということになります。

 

基準導入の際にはこの例外規定も踏まえて検討しないと二度手間になる可能性がありますので留意が必要です。実際は当該規定を適用することで現行実務とそれほど変わらない結果となることも多いようです。

 

次回は税法上の対応について解説します。

 

 

収益認識基準についてお困りごとがあれば、info@sousei-audit.or.jpまでご連絡ください。担当者(大高)から直接ご連絡させて頂きます。