第10回 税法上の対応

今回も難解で複雑な収益認識基準をわかりやすく、かんたんに解説します。今回は税法上の対応についてご説明いたします。

 

企業会計とは切っても切れない関係である法人税法における収益認識基準の取り扱いが国税庁から20185月付で公表されました。

 

1.原則的な考え方

法人税法第22条において「資本取引等以外のものに係る当該事業年度の収益の額」を益金の額に算入すると規定されています(別段の定めがあるものを除く)。つまり、会計上の売上高がそのまま法人税法上も益金となります。

 

2.収益認識基準への対応

収益認識基準においては売上高が将来の見積等により変動することとなったため、当該事項に対応するために法人税法第22条の2及び法人税法施行令第18条の2が新設されました。更に法人税基本通達2-1-1以降の項目が改正もしくは新設されています。基本的には、収益認識会計基準の考え方を法人税法上も取り込んでいくことになりました。主な内容は以下の通りです。

 

・契約の結合(基通2-1-1)→請負工事等において複数の契約を結合した場合はその結合した単位で収益計上を行うことができる。

 

・製品保証(基通2-1-1-3)→契約に定められた仕様を満たしているという保証の場合は収益認識の単位としない。

 

・ポイント(基通2-1-17)→継続適用を条件として自己発行ポイント等について将来の収入の前受けとすることができる(ポイントの区分管理、規約の制定等の一定の要件あり)。

 

・変動対価(基通2-1-1-11)→将来の返品等の影響を加味して、収益の額を減額又は増額する(方針や算定基準が明確化されていることが要件)。

 

・売上の計上時期(基通2-1-2)→原則として引渡日であるが、収益認識基準に従ってその近接日(例:出荷時、着荷時)に計上している場合はそれを認める。なお、近接日に割賦基準の回収日基準は認められていませんのでご留意ください。

 

・入会金等の処理(基通2-1-402)→返金不要の支払いについて、原則として取引開始時に収益計上。但し、契約期間における役務提供と具体的な対応関係をもって発生する対価と認められる場合は期間の経過に応じて益金算入することを認める。

 

上記以外にも改正項目はありますので、詳細は国税庁のホームページをご参照ください。

 

3.適用時期

会計基準に早期適用にあわせるために平成3041日以後終了事業年度から適用されます。

 

4.消費税法

消費税法については、収益認識基準に対応した改正は行われていません。このため、変動対価のように契約金額と売上計上額に差が生じている場合は契約金額に基づいて消費税を計算することになり、結果として消費税が売上高の8%とならない事態が発生します。

 

収益認識基準についてお困りごとがあれば、info@sousei-audit.or.jpまでご連絡ください。担当者(大高)から直接ご連絡させて頂きます。