ページ数も多く用語がとっつきにくくわかりにくい収益認識基準をかんたんシンプルに解説する「収益認識、かんたん!解説(設例編)」も早いものでそろそろ折り返し地点になります。がんばっていきましょう!
さて、今回は設例13「数量値引きの見積り」について説明します。ある期間に一定数量以上商品を購入した場合に値引きが発生する条件を付す場合があります。一般的にはボリュームディスカウントといい、これも変動対価に該当します。では設例で確認しましょう。
1.前提条件
(1)A社は製品を50千円/個で販売する契約をB社と締結した。当該契約には、当期中に製品を2,000個以上購入した場合は製品単価を遡及的に40円に減額するとされている。
(2)A社は第2四半期において、製品150個をB社に販売した。A社は期末までにB社販売数量は2,000個以上にはならないと判断している。
(3)第3四半期にB社は同業他社を買収し業容拡大した。B社から追加注文があり1,500個を販売している。A社は期末までにB社販売数量が2,000個以上になると見積り、販売単価を遡及的に40千円/個に減額することが必要になると判断した。
2.会計処理
(1)第2四半期
(借方) 売掛金 7,500 (貸方) 売上高 7,500
→@50千円×150個
(2)第3四半期
(借方) 売掛金 58,500 (貸方) 売上高 58,500
→値下げ後単価での販売額(@40千円×1,500個)-第2四半期値下額(@10千円×150個)
3.解説
本設例は現行の実務とそれほど相違ないと考えられます。すなわち、ボリュームディスカウントについても販売数量が条件達成を合理的に予想できるタイミングで売上高の修正を行う実務がなされていることと思われます。現行の処理が上記と相違する場合は会計処理方法の変更の検討が必要となります。自社の処理方法をご確認ください。
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