仮想通貨の会計基準

新連載として今回より「最新会計かんたん解説!」会計基準改正の最新情報を「かんたん!」「わかりやすく」をモットーに解説していきます。ぜひお付き合いください。

 

1回は仮想通貨に関する会計基準について説明しましょう。

 

(概要)

一時の大幅な値上がりからビットコインを代表とする仮想通貨が投資対象として昨今ニュースに取り上げられることが多くなりました。ドルや円などの法定通貨に代わる新たな資金決算手段としても注目を集めています。資産価値があるものとして個人だけでなく法人も保有する可能性があることから、会計基準開発のニーズが急速に高まっていました。

 

そのような状況の中で、20183月に「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取り扱い」(以下、本基準と呼びます)が公表されました。これはタイトルにもある通り当面の取り扱いを暫定的に定めたものですので今後きちんとした会計基準が開発された際はそちらに統合される可能性があります。

 

(範囲)

本基準は暫定的な対応のため第2項において「必要最小限の項目」について規定したと記載されています。具体的には全ての仮想通貨が対象となるのはなく、資金決済法に規定する仮想通貨のみを対象としています。資金決済法に規定する仮想通貨とは、以下の3つの要件を満たしたものをいいます。

①不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨と相互に交換可能

②電子的に記録され、移転可能

③法定通貨又は法定通貨建ての資産ではない

これにより、電子マネーや各種ポイントは①・②は満たしますが③に該当しないことから本基準の適用対象から外れます。

 

また、ICOによって自社が発行した仮想通貨は対象外となります。このため、ICOには適用すべき会計基準が無い状態となっており、ICOを実施した上場企業の会計処理が注目を集めることとなっています。

 

(会計処理)

こちらは非常にシンプルな処理となっており、取引所等で活発に取引が行われていることにより時価がある場合はBSに時価で計上し、差額はPLに純額で計上することになります。一方で、時価がない場合は取得原価でBS計上し、処分した際に差額をPLで売却損益として処理します(但し、相対取引の実績等により処分見込価額が算定でき、その価額が取得原価を下回った場合は差額を損失処理します)。

また、他者から預かった仮想通貨がある場合は、時価評価は行いますが、同額を負債に計上するのみで損益計上はありません。

 

(注記)

期末において保有する仮想通貨の合計額と他者からの預り分について、時価があるものと無いものに分けて記載します(重要性無い場合は省略可)。

 

(適用時期) 

平成3041日以後開始事業年度の期首から適用します。