第19回 期間収益として計上するライセンス売上 ~フランチャイズ契約(設例25)~

みなさんこんにちは。収益認識基準を設例を通じてわかりやすく説明していきます。なるべく簡潔に解説するようこころがけています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

今回は設例25「フランチャイズ契約」について説明します。コンビニや外食チェーンなどで広く利用されている契約で、商号の使用やノウハウの提供、物流網の利用をさせることでロイヤルティを対価として徴収する契約です。ロイヤルティは通常は売上高の〇%といった具合に歩合制となっているのが一般的です。このフランチャイズ契約も商号使用許諾というライセンスの供与に該当しますので、前回と同様にライセンス売上を2種類に分けて、一時点で売上計上するものと一定期間にわたって売上計上するものに分けます。本設例はそのうち一定期間にわたって売上計上するものの設例となります。

 

1.前提条件

(1)A社はB社に対して5年間A社の商号を使用してA社商品を販売する権利を提供するフランチャイズ契約を締結した。

(2)フランチャイズ契約において、A社はB社の毎月売上の7%のロイヤルティを受け取ることになっている。

(3)A社はフランチャイズの評判を高めるために顧客分析、製品改善及び販促キャンペーン等の活動を継続的に行っている。

(4)当年度B社は売上高を100,000千円計上しロイヤルティとして7,000千円をA社に支払った。

 

2.会計処理

当該ソフトウェア・ライセンスの販売を収益認識基準適用指針63項に当てはめると以下のようになる。このため、当該フランチャイズ契約は当該ライセンスにアクセスする権利であると判断した。

収益認識基準適用指針第63

当該ソフトウェア・ライセンスへの当てはめ

(1) ライセンスにより顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える活動を企業が行うことが、契約により定められている又は顧客により合理的に期待されていること。

フランチャイズの評判を高めるために顧客分析、製品改善及び販促キャンペーン等の活動を継続的に行っていることから該当する。

(2) 顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える企業の活動により、顧客が直接的に影響を受けること

上記フランチャイズの評判を高める活動はフランチャイズ契約というライセンス供与に対して直接の影響を及ぼしている。

(3) 顧客が権利を有している知的財産に著しく影響を与える企業の活動の結果として、企業の活動が生じたとしても、財又はサービスが顧客に移転しないこと

上記フランチャイズの評判を高める活動はそれによってB社に対して何らかの財又はサービスの移転はなされていない。

なお、本件はライセンスにより、売上高に基づくロイヤルティが支払われるものであるため、収益認識適用指針第67項に基づき、B社の売上高計上につれてA社はロイヤルティ売上を認識する。

 

 

2.会計処理

ロイヤルティの受け取り

(借方) 現金預金        7,000    (貸方)  売上高      7,000

→収益認識適用指針第67項に基づき当年度売上に対応するロイヤルティを売上高として計上する。

 

3.解説

売上高に基づくロイヤルティについては、ライセンスの使用料として従来より売上高計上とともにコストとして認識している実務が多かったと推察されます。この場合ですと、収益認識基準を適用したとしても会計処理は同様の処理となる可能性が高いといえます。

 

4.参考

収益認識適用指針第67

知的財産のライセンス供与に対して受け取る売上高又は使用量に基づくロイヤルティが知的財産のライセンスのみに関連している場合、あるいは当該ロイヤルティにおいて知的財産のライセンスが支配的な項目である場合には、会計基準第54 項及び第55 項の定めを適用せず、次の(1)又は(2)のいずれか遅い方で、当該売上高又は使用量に基づくロイヤルティについて収益を認識する。

(1) 知的財産のライセンスに関連して顧客が売上高を計上する時又は顧客が知的財産のライセンスを使用する時

(2) 売上高又は使用量に基づくロイヤルティの一部又は全部が配分されている履行義務が充足(あるいは部分的に充足)される時

 

 

 

収益認識基準についてお困りごとがあれば、info@sousei-audit.or.jpまでご連絡ください。担当者(大高)から直接ご連絡させて頂きます。