今回も難しい収益認識基準をわかりやすく、かんたんに解説します。今回は注記・開示項目について現状と今後のゆくえを解説します。
1.概要
収益認識基準は2018年3月に最終基準化されましたが1点ペンディング事項を残しています。それは注記項目についてです。会計基準の概要を記載した「「収益認識に関する会計基準」の公表」という文章において、IFRS15の適用間もない状況で注記事項の費用対効果の分析が未了であることから今後基準の正式適用日である2021年4月までに注記事項を確定させるとしています。
ただ、早期適用企業もあることから最低限の注記事項のみ規定しています。
2.現状の注記事項
現状規定されている注記事項は2点のみです。
①企業の主要な事業における主な履行義務の内容
②企業が当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)
①は会社が商売として実施している内容のことです。例えば家電量販店だと家電を顧客に引き渡すことですし、通信会社であればインターネット回線を顧客に使用させることになります。
②については、売上計上タイミングを記載することになります。前述の家電量販店では、「店頭で顧客に商品を引き渡した時」が、通信会社ですと「通信サービスを提供するにつれて」考えられます。
つまり、売上を計上している内容とそのタイミングを注記せよということになるでしょう。
3.今後のゆくえ
これまでのコンセプトからすると基本的にはIFRS15をそのまま基準として取り込んでいることから注記事項についてもそのままIFRS15の規定が取り込まれる可能性が高いといえます。このため、以下でIFRS15の注記事項をご紹介します。
4.IFRS15の注記事項
IFRS15においては上記2.記載事項の他にも、売上高の分析資料(セグメントを更に細分化した分析表)やBS計上した債権債務(契約資産や契約負債)に関する分析資料(前期末から当期末にかけての増減推移表)も注記事項として要求されています。ご興味のある方は国内企業でIFRS15を早期適用している企業の有価証券報告書をご覧ください。
収益認識基準についてお困りごとがあれば、info@sousei-audit.or.jpまでご連絡ください。担当者(大高)から直接ご連絡させて頂きます。