第21回 日本基準特有の処理その2 ~小売業における消化仕入等(設例28)~

みなさんこんにちは。難しい収益認識基準を設例でかんたん!解説する本連載も20回を超え終盤に入ってきました。おかげさまで多くの方にご覧いただいておりお問い合わせも頂けるようになりました。ありがとうございます。それでは本日の解説をはじめていきます。

 

今回は設例28「小売業における消化仕入等」について説明します。小売業やそこへ商品を供給している方にはなじみのある言葉かもしれません。仕入形態のひとつで、小売店舗に陳列されている商品は仕入れ業者が保有しており、それが販売された時点で仕入が発生するものです。小売業者は在庫リスクをとらずに販売時に同時に仕入を計上することになります。いわゆる富山の置き薬のように使った分だけ購入するイメージと考えてもらえれば結構です。

さて、このような取引の場合小売業者の売上及び仕入はどのようになるでしょうか。下記取引で見ていきましょう。

 

1.前提条件

(1)小売業者A社は仕入先B社より商品を仕入れ、自社の店舗で販売している。

(2)B社との取引は消化仕入契約となっている。主な契約内容は以下のとおりである。

 ・店舗納品時にA社は検収を行わず、店舗商品の所有権はB社にある。

 ・商品保管管理責任等の在庫リスクはB社が保有している。

 ・販売価格の決定権はB社にある。

 ・顧客への販売時に所有権はB社からA社に移転する。

 ・A社は販売代金にあらかじめ定めた料率(75)を乗じた金額をB社に仕入代金として支払う。

(3)A社は店舗においてB社商品2,000千円を販売した。

 

2.会計処理

A社が締結している消化仕入契約は、在庫リスクを負っておらず販売時点において所有権が移転することから当該商品を顧客に提供する前に支配していない。このため当該消化仕入による販売は単に顧客に商品が提供されるように手配することであり、A社は代理人に該当すると判断した(収益認識適用指針第47)

 

商品販売時

(借方) 現金預金        2,000    (貸方)  売上高      1,500

                                  手数料収入      500

A社は代理人に該当することから、販売と仕入の純額である手数料部分(販売金額の25)を収益として認識する。

 

3.解説

消化仕入については百貨店業界を中心に総額で売上高を計上する処理が一般的におこなわれています。このため、収益認識基準を適用すると純額表示になり売上高が大幅に減少する可能性があります。なお、消化仕入といっても様々な契約条件があるため、必ず上記のように代理人として純額表示なるわけではないことにご注意ください。自社の契約条件を会計基準に当てはめて考えてみることが必要です。

 

 

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