第22回 日本基準特有の処理その3 ~他社ポイントの付与(設例29)~

難解な収益認識基準をかんたん!に解説する本連載も終盤に入ってまいりました。皆様もだいぶ理解がすすんできたかと思われます。個別にご相談を希望される場合は遠慮くなく本文最後のメールアドレスまでご連絡ください。担当者から折り返し連絡させていただきます。

 

今回は設例29「他社ポイントの付与」について説明します。我が国では小売チェーンをまたいで共通で発行されるポイント制度が普及しています(某レンタルビデオ店のポイントが有名ですね)。一方で、IFRSお膝元ヨーロッパでは共通ポイント制度はそれほど普及していないようで収益認識基準導入にあたって論点とはなっていませんでした。このため、我が国特有の処理として本設例が追加されたという次第です。では設例を見ていきましょう。

 

1.前提条件

(1)A(小売業)は、B社が運営するポイントプログラムである「Bポイント」に参加している。A社店舗で商品を購入した顧客に対して100円につきBポイントが1ポイント付与されている。A社はB社にその旨を連絡し、付与ポイント1ポイントにつき1円をB社に支払っている。

()A社による上記Bポイント付与は適用指針第48項にいう顧客に重要な権利を提供するものではないと判断した。

(3)当期A社は顧客にBポイント付与対象となる商品を10,000千円販売した。

 

2.会計処理

(1)商品販売時

(借方) 現金預金        10,000    (貸方)  売上高      9,900

                                   未払金         100

→ポイント部分はA社にとっては第三者のために回収する金額(収益認識基準第47)であることから売上を認識せずに未払金として計上する。

 

(2)A社からB社へのポイント相当額の支払時

(借方) 未払金        100    (貸方)  現金預金      100

 

3.解説

現行実務においては、他社ポイントについては他社に支払った時点で売上値引(本設例)もしくは販管費としているケースが大半かと思われます。売上値引としている場合は影響はありませんが、販管費の場合は売上高金額の減少等の影響があると思われます。

 

4.参考

収益認識適用指針第48

顧客との契約において、既存の契約に加えて追加の財又はサービスを取得するオプションを顧客に付与する場合には、当該オプションが当該契約を締結しなければ顧客が受け取れない重要な権利を顧客に提供するときにのみ、当該オプションから履行義務が生じる。この場合には、将来の財又はサービスが移転する時、あるいは当該オプションが消滅する時に収益を認識する。

重要な権利を顧客に提供する場合とは、例えば、追加の財又はサービスを取得するオプションにより、顧客が属する地域や市場における通常の値引きの範囲を超える値引きを顧客に提供する場合をいう。

 

収益認識基準についてお困りごとがあれば、info@sousei-audit.or.jpまでご連絡ください。担当者(大高)から直接ご連絡させて頂きます。